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自分の期待に応える勇気

周りの期待に応えるために

 

先日、あるクライアントさんから

こんな相談をお聞きしました。

 

周囲の勧めで

今の仕事に就いた。

 

その仕事に就くために

進学したものの、

学生の頃からずっと

その分野に興味が持てなくて、

 

それでも、引き返したり

道から逸れることが怖くて、

それを言い出して

咎められることも辛くて、

 

そのまま、

敷かれた道を進み続けた。

 

誰かに反論するよりも

自分を言い聞かせる方が

ずっとずっと楽だった。

 

つまらない、やりたくないと

思いながらも勉強し、

国家試験に合格して、

 

レールを踏み外すことなく

自然と言われる流れに沿って

期待された通りの場所に就職した。

 

周りの思いに応えるために

これでいいんだと

自分を言い聞かせて、

 

きっといずれ、

今の仕事が好きになる、

そう思い続けて5年が経った。

 

それでもやっぱり変わらなかった。

 

そう、お話してくれました。

 

手放すことが怖くなった

 

「これからは?」

そうお聞きすると、

 

「今の仕事、好きですか?」

と、

問い返されました。

 

「はい、好きです」

ゆっくりと、そう答えると、

 

やりたいことに

目を背け続けたせいで

 

自分が何をしたいのか、

どうしていきたいのか、

今は何も見えていない。

 

でも、

今の仕事が好き、と

そう言える仕事をしたい。

 

そう思うけれど、

本当はとても怖い。

今までやってきたことを

 

進んできた道を

全部否定するみたいで。

今までを放り投げることが

とても怖い。

 

そう、話されました。

 

 

その気持ちが、

痛いほどわかりました。

私も同じように

感じていた時期がありました。

 

これまでやってきたことを

手放して、

別の道に進むのは、

 

今までの自分を

全部否定してしまうみたいで、

そのことが

震えるほど、怖かったのです。

 

 

自分の期待に応えること

 

 

「これまで、自分の期待に

応えてあげたことはありますか?」

 

ふとした問いに、

微笑まれました。

 

ないかもしれない、と。

 

これからは自分の期待に

応えてあげてみませんか?

 

すぐでなくても、

少しずつでも。

 

やりたいことを

見つけるために必死になるより

 

自分のワクワクやときめきを

ちゃんと感じて、

それを満たしていくと、

 

進みたい道は見えてきます。

 

そんな話をしていると、

ぽつりと、

本当は、ちょっとだけ

気になっていることがあるんです。

 

やりたいことなのかどうか

自信がなくて、

まだ誰にも言ったことがないけど。

 

そう言って、

打ち明けてくれました。

 

それはたしかに、

心がワクワクとしている、

そんな新しい道でした。

 

これから少し、

自分の期待に応える勇気を

持ってみよう。

 

すぐでなくても、

少しずつでも。

 

丸谷香

丸谷 香(まるたにかおり)

精神保健福祉士/社会福祉士/公認心理師

メンタルコーチ。元大学病院のMSW。就労・児童および産業分野でソーシャルワーク、心理カウンセリングなどに従事。
現在は、経営者、個人事業主、専門職向けのコーチングのほか、障害福祉事業所の組織開発、対話型発達障害研修などを行う。

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