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幸せを広げる、恩送り

 

恩送りという考え方

 

 

「恩送りなんです」

 

先日、セッションをした

クライアントさんが、

笑いながらそう話されました。

 

人に関わる、

今のこの仕事が

大好きで、

 

関われていることが

とても幸せなんだと、

話す彼女に、

 

何が、そこまで

あなたを突き動かすんでしょう?

と、お聞きしたとき、

 

ほぐれた笑顔で、

すぐにそう答えられたのです。

 

 

恩送り。

 

 

この言葉を

知っていますか?

 

「恩返し」は、

親切にしてくれた相手に

直接お返しをすること。

 

一般的に思い浮かぶ

お礼のようなことですね。

 

「恩送り」は、

誰かから受けた親切や善意を、

その相手ではなく、

他の誰かに渡していくことです。

 

いただいた恩を

その人ではなく、

別の人に送ること。

 

そして、それを送られた人は

さらに別の人に渡す。

そうして恩が回っていく、

 

そうすると、社会に

正の連鎖が起きてくる、

という考え方です。

 

「恩送り?」と、

尋ねた私に向かって、

そのクライアントさんは

説明してくれました。

 

自分は、田舎育ちで、

両親が忙しく仕事していて、

祖父母や近所の人たちに

とても大事に

育ててもらった。

 

その人たちにずっと

言われてきた。

 

恩は返さなくていい、

恩は他の人に送るんだよ、と。

 

私は十分大事にしてもらったし、

今も自分の家族から

大事にしてもらっているから、

 

その分、他の人を

大事にしたいなと思うんです。

 

誰だって、大事にされてると

思うと、心が穏やかになるし、

優しい気持ちになれるから。

 

恩送りの仕事、

 

ご自分の大好きな仕事のことを

愛おしそうに、

そうお話しされました。

 

 

知らない誰かを幸せにすること

 

 

英語で、Pay it forward

という言葉があります。

 

善意を他の人に回す、

ということ。

恩送り、と同じことです。

 

昔、このタイトルの

映画がありましたね。

 

自分のうれしい気持ちや

温かい感情、

感謝の気持ちを使って、

 

他の誰かに親切にする、

少しの手助けをする、

やさしい言葉をかけてみる、

 

誰かのために、

ちょっとだけ

心が温まることをする、

 

その行動が、

誰かの幸せや安心に

つながっていく。

 

恩送り。

 

とても素敵なことですね。

 

 

季節は進んで…

 

 

気づくと前回の投稿から

1ヶ月が経とうとしていました。

 

1月は急ぐ、

2月は逃げる、

3月は去る、

 

と言いますが、

本当ですね。

 

歳を重ねるごとに

その言葉を

身にしみて感じます。

 

2月。寒さのピークが

訪れる季節。

 

実は、

一年で私が最も

苦手な季節です。

 

けれど、最近

少しずつ、

 

梅の花の蕾に

よろこびを感じられるように

なってきました。

 

寒い季節に

誰かの心が温まるように、

私も恩送り、

やってみようと思います。

 

 

丸谷香

丸谷 香(まるたにかおり)

精神保健福祉士/社会福祉士/公認心理師

メンタルコーチ。元大学病院のMSW。就労・児童および産業分野でソーシャルワーク、心理カウンセリングなどに従事。
現在は、経営者、個人事業主、専門職向けのコーチングのほか、障害福祉事業所の組織開発、対話型発達障害研修などを行う。

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